CEマーキング

製品のCEマーキング対応を支援します。

CEマーキングについてオンライン無料相談会を実施しています。

CEマーキングとは

CEマーキングとは、EUで販売される指定の製品に、EUの基準への適合マークを表示するための適合性確認の制度です(適合マークそのものも、CEマーキングと称される)。指定の製品とは、「ニューアプローチ指令」と呼ばれるEUの法律群やその他のCEマーキングの表示を求める法律が「対象」としている製品です
 
●ニューアプローチ指令に含まれる主な指令

  • 機械指令
  • 低電圧指令
  • EMC指令
  • ATEX指令(防爆指令)
  • 無線指令
  • 圧力機器指令
  • 簡易圧力容器指令
  • 昇降機(リフト)指令
  • 医療機器規則
  • RoHS指令

CEマーキングの要求

それぞれの指令にはそれぞれ“Scope”と、その指令の「必須要求」が示されています。製造者は、このScopeから、EUで販売する製品に適用すべき指令を判断し、該当するすべての指令の要求を満たすことを確認、適合を自ら宣言することで、製品にCEマーキングをつけることができるようになります。
 
例えば、EMC指令のScopeには、電磁妨害を発生するもの、またはその影響を受けやすいもの、低電圧指令には、交流電流の場合は 50~1000V、直流電流の場合は 75~1500Vの定格電圧で使用するように設計された電気機器と書かれています。
もし、EUに輸出しようとしている製品が「電磁妨害を発生するもの、またはその影響を受けやすいもの」であり、かつ「交流電流の場合は 50~1000V、直流電流の場合は 75~1500Vの定格電圧で使用するように設計された電気機器」であれば、少なくともその製品には、EMC指令、低電圧指令、RoHS指令を適用することになります。
有害物質の含有量を規制する指令である「RoHS指令」は、大型産業機械、及びある場所から動かさず稼働させる「固定設備」以外のほぼ全ての電気機器に適用されます。
 
CEマーキングは、これらの指令に書かれた「要求」を満たすように設計、製造することはもちろんのこと、要求を満たしていることを示す文書を作成し、EUで製品を販売している間は継続的にその文書を維持管理し、販売終了後も10年間は保管することを要求しています。
 

CEマーキング自体は認証制度ではない?

CEマーキングは、それ自体は、認証制度ではありません。これは、第三者機関に製品やその評価結果を提示し、認証を取得してCEマークを表示するというものではない、ということです。基本的には、製造者が自ら、CEマーキングの要求を満たしていることを「宣言」し、製品にCEマークをつけます。

ただし、指令によっては、CEマーキングの要求を満たしていることを製造者が「宣言」する上で、第三者の認証を要求するものがあります。
代表例として、ATEX指令、医療機器指令などがあり、その他の指令にも、条件によっては認証が必要になる場合があります。
 
例えば、ATEX指令の“Scope”のひとつには、爆発性雰囲気の中で使用することを意図した機器と書かれています。
もし、EUに輸出しようとしている製品が「爆発性雰囲気の中で使用することを意図した機器」であり、さらにEMC指令の対象条件である「電磁妨害を発生するもの、またはその影響を受けやすいもの」でもあった場合は、ATEX指令、EMC指令、RoHS指令が適用となります。このうち、ATEX指令は製品が使用される爆発性雰囲気の状況によりますが、多くの場合、認証が必要です。

一方、EMC指令における「認証」は、任意となっています。このような機器の場合、ATEX指令の認証書とEMC指令及びRoHS指令の要求を満たしていることを示す文書をもって、CEマーキングの要求を満たしていることを自ら「宣言」し、CEマークをつけることになります。
 
このように、CEマーキング全体についての認証を求める法律はなく、適用する指令によってはその指令への適合を確認する手順として認証が必要になることがある、というものです。

指令には具体的要求がない? -「規格」の出番

「指令」は、よりなじみやすい言葉に変えれば「法律」です。多くの法律がそうであるように、欧州の「指令」も、抽象的な文面が多く、具体性に欠けることがあります。

例えば、EMC指令であれば、他の機器を誤動作させるような電磁波を出さないこと、他の機器から受ける電磁波で誤動作しないことなどと書かれており「どの程度の電磁波が他の機器を誤動作させるのか」「どの程度の電磁波に耐えられれば、他の機器から誤動作させられないといえるのか」という、定量的な要求は書かれていません。

そこで登場するのが「規格」です。
各指令には、その要求をより具体的な内容にしている「規格」が紐づいており整合規格と呼ばれています。たとえばEMC指令は「装置から放出される電磁波は○○dBまで抑えなければならない」「△△dBの電磁波で妨害しても、誤動作なく耐えなければならない」などといった、定量的要求が書かれた整合規格があります。

規格は法律ではないので、法的効力はありませんが、具体的な要求が示されているため有効活用することが大切です。
また、各指令の整合規格は、数多く存在し、製品に適用すべき規格はどれなのかを判断するのにはリスクアセスメントなどのテクニックが必要です。また、時には、ユーザーから適用する規格を指定されることもあるかもしれません。そして、適用する規格にある具体的な要求を満たすことが、指令の要求を満たすことになります。
 

CEマーキングまでの流れ

CEマーキングまでの流れは、以下のようになります。

  1. 製品に適用すべき「指令」を、各指令の“Scope”をから選定する。
  2. 適用指令の要求を満たしていることを示すための「規格」を、その指令の整合規格から選定する。
  3. 指令、整合規格の要求を満たすように設計、製造する。
  4. 適用した指令の中に「認証」が必要なものが含まれている場合は、申請書を作成しNotified Body (NB:認証機関)に「申請」し認証を取得する。
  5. 適用した指令の中で「認証」が不要、任意のものについては、製造者自らが、指令、規格の要求を満たしているかを評価し、「技術文書(TCF: Technical Construction File)」を作成する。指令や規格が「試験」を要求している場合は、その試験も行い、結果を同じく文書化する。
  6. 4のNBが発行する「認証書」と認証を取得する際に提出した申請書、5の「技術文書」とをもって、当該の製品がCEマーキングの要求を満たしていることを「宣言」する。(宣言は「宣言書」をもって行う)

 
イーエス技研は、1~6までをトータルでサポートしています。
認証書が必要な場合は、NBの紹介、選定のサポート、NBに提出する申請書類の作成などをサポートいたします。また、NBからも認められた手法による製造現場での低電圧/EMC試験も対応可能です。さらには、適合宣言後の製品の変更に伴う技術書類や認証の更新など適合の維持管理へのサポートもいたします。