NRシリーズ

統一労働法(CLT)とNR

ブラジルでは、労働安全衛生を管轄する労働省が、労働に関する法令をまとめた統一労働法(CLT)に基づき、安全を規制しています。CLTの中で、労働環境の安全を保証するために必要な手順を定義しているのがNR(Norma Regulamentadora)という規格で、法的に遵守しなければなりません。NRはその分野、製品種別で36に分かれていますが、中でも当社で対応しているのは以下二つです。
 ・NR-10:電気設備と電気工事
 ・NR-12:機械 及び 器具
 

NRと他規格の共通点・相違点

NRの大部分は国際規格であるISOおよびIEC規格、または欧州規格ENに準拠しています。NR-10は電気安全の一般的な要求といえます。NR-12は国際規格ISO12100、IEC60204-1、ISO13849などをはじめとする、CEにおける機械安全規格に由来しています。その為、CEマーキングの対応が流用できるケースも少なくありません。また、NRには現時点ではEMCの要求がないため、CEと比して対応工数は少ない、と考えることもできます。
ただし、NRが古い国際規格に準拠、由来しているケースがあるため、CEの要求とブラジルの要求にズレが生じることもあり、注意が必要です。
また、NRはその内容の多くが製品仕様に対してのものであるにもかかわらず、出自が労働安全衛生のための規則であるがゆえに、メーカーではなくユーザを責任の対象としている点が特徴です。よって、メーカーからユーザに、適合のために行った対応を説明し、理解してもらう過程がより重要になってきます。
CEにはなくNRに必要な対応としては「取扱説明書のブラジル・ポルトガル語対応」があります。